「ダイエット中だからポテトは我慢!」
「健康的なアーモンドを食べれば痩せるでしょ」
ようじゅそういった考えからダイエット中に無理して”健康な食べ物”を取り入れるのはあるあるですが、ぶっちゃけ成果が出ない確率が高いです。
- ポテトを食べようがナッツを食べようが、”カロリーが同じなら”別に痩せない
- 確かにポテトを自由に食べれば太る可能性は高い
- ポテトを一切禁止すると、逆に爆食いにする可能性が高い



ジャンクフードは我慢するよりも、毎日少しずつ取り入れるほうが効果は高いです
ナッツを食べようと、フライドポテトを食べようと同じ



まず結論として、”カロリーが同じなら”ナッツを食べようとポテトを食べようと体脂肪への影響は同じくらいです
被験者となったのは、成人180名。
3つのグループに分かれて、30日間過ごしてもらった
- アーモンドを300kcal分食べたグループ
- フライドポテトを300kcal分食べたグループ
- フライドポテト+ハーブ&スパイスで300kcal分食べたグループ
まず結果として、脂肪量はどのグループも変わらなかったことが報告されている。


ちなみに”体重”はポテトグループのほうがわずかに減少したことが報告されていますが、これは正直「偶然なのでは?」と思います。(P=0.014)
- アーモンド群:+0.49kg
- ポテト群:-0.24kg
- ポテト+ハーブ&スパイス群:+0.47kg





糖尿病関連の指標である空腹時血糖、インスリン値、HbA1c値、HOMA-IRは、どのグループでも差が見られませんでした
このように、どんなものを食べようとカロリーが同じなら体型への影響は大体同じ。
そして体型どころか、健康への影響すら大してない可能性も大きい。
でもたった30日間の研究だから、この生活をずっと繰り返していたらわからないんじゃない



たしかに数年間で追跡してみたら違いが出るかもしれませんが、無理して食べるほどの差が出るのかは疑問です
ポテトは確かに食べすぎる傾向がある
でもカロリーが同じなら体への影響は同じっていうけど、ジャンクフードはつい食べすぎちゃうんじゃないの?



確かに加工食品は未加工の食品よりも食べ過ぎてしまう傾向があります
男女20名を対象に、2つの条件で過ごしてもらったクロスオーバーデザイン。
- 2週間、未加工食品だけを食べる
- 2週間、超加工食品だけを食べる
結果として超加工食品だけを食べた条件では未加工食品だけを食べる場合よりも1日約500kcalも多く摂取し、体重も増加する傾向にあった。


このように、超加工食品だけを食べると体重が増加することが報告されている。
一方で、未加工食品だけを食べることで、体重は減少する。



超ざっくりいうと、加工食品になればなるほど、シンプルに美味しいので食べすぎる傾向があります。
実際にレタスのサラダ(ドレッシングなし)は山盛り食べれないけど、ハンバーガーやケーキは量を食べれるというのは誰もが経験があるはず。



確かに食品は加工されるほど自然とカロリーが増えて、食べすぎるという傾向にあるのは事実です
だからといって禁止しはじめるのが”地獄”のはじまり
じゃあやっぱり加工食品は食べない方がいいんじゃない?ポテトは禁止したほうがいいんじゃん!



実は話はそう単純ではありません。なぜなら、ヒトは禁止すると食べたくなるという性質があるからです。
チョコを食べさせた研究。
2つのグループに分かれて、チョコの消費量を食べるテストをした。
詳しい実験の条件は下記のとおり。
| 項目 | Temptation(誘惑)群 | Control(対照)群 |
|---|---|---|
| 開始時 | 全員、チョコを1個だけ試食 | 全員、チョコを1個だけ試食 |
| その後、24時間の過ごし方 | 30個のチョコ袋を常に持ち歩く(25個と申告されている) | 手ぶらで帰宅。指示なし |
| チョコのルール | 「チョコを絶対に食べないで」と指示される | 指示なし |
| 意識の強制 | 1日4回、「チョコのこと考えてる?」等の質問に回答 | 何もなし |
| 終了時(24時間後) | ボウル一杯のチョコを好きなだけ食べるテスト | ボウル一杯のチョコを好きなだけ食べるテスト |
まず被験者は、実験開始時にチョコを1つだけ食べて”風味”や”味”を詳細にレポートさせられた。
その後誘惑軍にはチョコを30個渡し、24時間後にまた実験室にくるように指示。



その際、チョコは絶対に食べないように指示されています
ちなみにこのとき、被験者には「チョコを25個渡した」と伝えられている。



なぜこんなことをするかというと、25個渡されたのに30個あったから、少しくらい食べてもバレないという状況を作るためです。
そして24時間後に再度実験室を訪れてもらい、3つのボウルから一つだけ味が違うチョコを当てる実験に参加してもらった。



このとき被験者には「余ったチョコはどうせ捨てるから、好きなだけ食べていい」と言い、実際にチョコの摂取量を記録しました
結果として、禁止させた状態の方がチョコをより多く消費すると言う結果に。


そして中でも食べすぎる傾向にあったのが、HR(High Restraing)と呼ばれる”普段から食事制限をしがちな人たち”。
実は普段から食事制限しがちな人は、禁止という状態にめっぽう弱い。



制限的な思考の人はその分”反発”も大きいので、食品の禁止にはより慎重になる必要があります
食事を制限しないほうが、リバウンドしないどころか痩せる



そして実は、食品を制限しなくても同じくらい痩せるし、なんならそっちのほうがリバウンドしないことがわかっています
被験者となったのは筋トレをしているトレーニー男女23人で、2つのグループに分かれて10週間のダイエットをしてもらった
- 制限ダイエット:栄養士が作った食事プランの通りに食べる
- IIFYM :カロリーとタンパク質・脂質・糖質の目安だけ指示
どちらのグループも1日あたり”2g/体重”のタンパク質を取るように指示されており、カロリーは”-25%”の制限。



❶のグループは食品まで栄養士に決められていますが、❷のグループはカロリーと栄養素さえ守れば何を食べてもOKでした
制限ダイエットグループは栄養士が作った食事プラン通りに食べており、例えばある被験者の食事例は以下の通り。
- 1食目:全卵2個、アボカド、ほうれん草、全粒粉トースト、バナナ
- 2食目:鶏胸肉、さつまいも、ブロッコリー、アーモンド
- 3食目:ギリシャヨーグルト、ピーナッツバター、ミックスベリー
- 4食目:牛肉、レタス、トマト、チーズ、玄米
いかにも”健康的な食事”という食事であり、多くのダイエッターが実践している食事内容に近いだろう。
一方で、IIFYMグループはあすけんのようなトラッキングアプリの使い方を指導され、カロリーと3大栄養素の目安だけ与えられた。
そんな条件で10週間のダイエット(とその後10週間にわたる追跡調査)をしたところ、結果は以下のようになった。
- どちらのグループも同じくらい脂肪が減った!(厳しいダイエット:-3.2kg vs IIFYM:-2.3kg)
- 厳しいダイエットでは追加調査期間でリバウンドしたが、IIFYMではリバウンドしなかった!(厳しいダイエット:+1.1kg vs IIFYM:±0kg)



どちらも同じくらい体重を減らし、実験後のリバウンドに関しては食品を禁止しなかった群が勝ちました
食品を禁止するより、毎日少量を食べることでむしろ痩せた
毎日デザートを食べることでリバウンドしないどころか、もっと痩せた



そしてさらには、甘いものを禁止ではなくて毎日取り入れることでリバウンドしないどころかその後も痩せ続けたという研究すらあります
肥満の被験者193名を2つのグループにわけた
- 低炭水化物の朝食
- 高タンパク質&高糖質の朝食



実際の食事構成も紹介しておきます
| 食事 | 高炭水化物群 (HCb) | 低炭水化物群 (LCb) |
| 朝食 | 600 kcal / C 60g / P 45g / F 20g | 300 kcal / C 10g / P 30g / F 16g |
| 昼食 | 500 kcal / C 10g / P 70g / F 20g | 500 kcal / C 10g / P 70g / F 20g |
| 夕食 | 300 kcal / C 8g / P 45g / F 10g | 600 kcal / C 16g / P 90g / F 20g |
| 合計 | 1400 kcal / C 78g / P 160g / F 50g | 1400 kcal / C 36g / P 190g / F 56g |
| 食事 | 高炭水化物群 (HCb) | 低炭水化物群 (LCb) |
| 朝食 | 600 kcal / C 60g / P 45g / F 20g | 300 kcal / C 10g / P 30g / F 16g |
| 昼食 | 600 kcal / C 12g / P 84g / F 24g | 600 kcal / C 12g / P 84g / F 24g |
| 夕食 | 400 kcal / C 11g / P 60g / F 20g | 700 kcal / C 19g / P 105g / F 23g |
| 合計 | 1600 kcal / C 83g / P 189g / F 64g | 1600 kcal / C 41g / P 219g / F 63g |
どちらもカロリーは同じだが、高炭水化物群のほうが朝に糖質を摂っている分、糖質量は多め。
低炭水化物群は糖質が控えめな分、高炭水化物群よりもたんぱく質量が多くなっている。



そしてこの研究で特徴的なのが、毎日朝に下記から選ばれたデザートを用意しているということです
- チョコレート
- クッキー
- ケーキ
- アイスクリーム
- チョコレートムース
- ドーナツ
この2グループで16週間の減量期間後に16週間の追跡調査をしたところ、次のような結果になった。


実験期間中の体重減少は同じくらいだったが、追跡調査期間で低炭水化物群は体重が増加。



一方で、高炭水化物群は追跡調査期間も体重が減少し続けました
なぜこのようなことが起こるかというと、”渇望”のレベルで対称的なことが起こったから。
- 減量期間終了後と追跡調査完了後、低炭水化物グループは甘いものへの渇望スコアが増加していた
- 一方で、高炭水化物グループは甘いものへの渇望スコアが低かった
しかも、この研究ではベースラインの渇望スコアはどちらも同じだったことが報告されている。



つまり甘いものを禁止すると欲求に悩まされますが、毎日食べることで逆にその欲求は沈静化することがわかっています
まとめ
今回は欲求の対処法についてまとめた。
- ポテトを食べようがナッツを食べようが、”カロリーが同じなら”別に痩せない
- それどころか、健康系の指標にする影響がないかもしれない
- ポテトを一切禁止すると、逆に爆食いしてしまう可能性が高い



ダイエットに必要なのは、我慢よりも”毎日少量を取り入れる工夫”です
参考文献
1. Smith DL, Hanson RL, Dickinson SL, Chen X, Goss AM, Cleek JB, et al. French-fried potato consumption and energy balance: a randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2022;115: 1626–1636.
2. Hall KD, Ayuketah A, Brychta R, Cai H, Cassimatis T, Chen KY, et al. Ultra-processed diets cause excess calorie intake and weight gain: An inpatient randomized controlled trial of ad libitum food intake. Cell Metab. 2019;30: 67–77.e3.
3. Stirling LJ, Yeomans MR. Effect of exposure to a forbidden food on eating in restrained and unrestrained women. Int J Eat Disord. 2004;35: 59–68.
4. Conlin LA, Aguilar DT, Rogers GE, Campbell BI. Flexible vs. rigid dieting in resistance-trained individuals seeking to optimize their physiques: A randomized controlled trial. J Int Soc Sports Nutr. 2021;18: 52.
5. Jakubowicz D, Froy O, Wainstein J, Boaz M. Meal timing and composition influence ghrelin levels, appetite scores and weight loss maintenance in overweight and obese adults. Steroids. 2012;77: 323–331.










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