筋トレをしているけど、全く筋肉が増えない…
ようじゅ今回はそんな悩みを抱えている”ハードゲイナー”向けの回です
- ハードゲイナーは、とりあえずセット数を増やせ
- ハードゲイナーは、とにかく食べろ
- ハードゲイナーは、食事量を増やしたときに動きすぎるな
いわゆるハードゲイナーというのは、筋トレに反応しづらい人のこと。



そんな人は普通の人よりも努力する必要があります
動画はこちら
同じ筋トレをしているのに全然筋肥大しない人が確かにいる
まずそもそもハードゲイナーなんて存在するのか?という話だが、これは確かに存在する。



同じような筋トレをしていても、めちゃくちゃ筋肥大する人もいれば、全然筋肥大しない人もいることがわかっています。
男女585名(女性342名、男性243名)を対象に、12週間の筋トレをしてもらった。
筋肥大率は-2 ~ +59%、筋力増加率は0 ~ +250%まで差があった




このように同じ筋トレをしても、全く筋肥大しない人もいればめちゃくちゃ筋肥大する人もいる。



実際にそれなりに筋肥大する人には気持ちがわからないかもしれませんが、筋肥大しづらい人というのは確かに存在します。
筋トレで反応が悪い人は、遺伝的に衛生細胞が少ない
なぜ筋トレで反応しない人がいるの?それは本当なの?



実は筋トレで反応しづらい人は、衛生細胞の活性化とそれに伴う核の増加が少ないとされています
筋肥大には核の増加が必要
まず筋肥大には、タンパク質合成に重要な役割を果たす核の増加とリボソームの増加が重要だとされている。
核はタンパク質のレシピであるmRNAを提供する場所で、リボソームはそのmRNAから実際にタンパク質を作る工場。
この2つが増えないと、筋繊維が太くなったときにタンパク質のターンオーバーを維持できない。



なのでこの2つが増えることが、筋肥大には重要とされています





タンパク質の合成に重要な役割を果たす核とリボソームが増えることで、筋肉はより大きなタンパク質の塊=筋肉を維持することができるようになるというわけです
衛星細胞の数と活性化しやすさには遺伝差がある
そしてこの衛星細胞の数と活性しやすさには、遺伝差があることがわかっている。



ノーレスポンダーはそもそも衛生細胞が活性化しづらく、エクストリームレスポンダーにいたってはそもそもの衛生細胞の核が多いことすら示唆されています
66名の被験者に16週間のトレーニングをしてもらい、筋肥大率によって3つにクラスター分けした。
| グループ | 平均筋肥大率 |
| 無反応者 | 0% |
| 中程度の反応者 | 28% |
| 極度の反応者 | 58% |
全く反応しなかったノーレスポンダーから、筋量が1.5倍にもなったエスクトリームレスポンダーまでを分類した。
そして筋線維内の核の数を調べたところ、下記のような結果になった。


めちゃくちゃな筋肥大を達成したグループは、筋肥大の前提条件である核の増加が顕著だった。
こんなことがなぜ起こるかというと、主に理由は2つ。
それは筋肉の周りにある衛生細胞の数が元々多いことに加え、活性しやすいことがあげられる。


まず一つ目にわかるのは、エスクトリームレスポンダーは筋トレ後の衛生細胞の増加がめちゃくちゃ多いということ。



衛生細胞というのは、活性化されると核と融合する前に増殖することがわかっています
筋損傷と衛星細胞の果たす役割をまとめたレビュー


この活性化による衛星細胞の増加が起こりやすいのがエクストリームレスポンダーの正体。
それどころか、そもそも活性化していないときの衛生細胞の数も多い。
つまりめちゃくちゃ筋肥大する人というのは確かに存在する。



そんな”筋肥大の才能”に恵まれた人は生まれつき衛生細胞の数が多く、さらには活性化しやすいため筋繊維に核が増えやすいため筋肥大しやすいということです
ハードゲイナーは、とりあえずセット数を増やせ
それではハードゲイナーだったら、筋肉は諦めなきゃダメなの?



ハードゲイナーだからと言って諦める必要はありませんが、才能がないならその分努力する必要があります
量を増やすほど、ノーレスポンダーが減る傾向にある
というのも、実際にセット数を増やせば増やすほど”ノーレスポンダー”は少なくなる傾向がある。
筋トレ経験者を対象に、8週間の筋トレをしてもらった研究。
その際、被験者を3つのグループに分けた。
- G16:週16セットの筋トレをしたグループ
- G24:週24セットの筋トレをしたグループ
- G32:週32セットの筋トレをしたグループ



結果として、週あたりのセット数を増やすほど筋肥大するという傾向が見られました


まず一つ目の結果として、各グループの平均筋肥大率は週あたりのセット数が多いほど高いという結果に。
そしてもう一つ重要なのが、週あたりのセット数が増えるほど無反応者(灰色の部分)の人が消えたこと。



無反応者はセット数が上がるにつれて少なくなっていき、週32セットともなるとどの筋肉も無反応者が一人もいないことがわかります
有酸素運動の研究でも、時間を増やすほどノーレスポンダーが減った
この「量を増やすほど無反応者が消える」というのは、筋トレだけでなく有酸素運動でも確かめられている事実。



実際に有酸素運動の時間を増やすほど、心肺機能に関する無反応者が消えることがわかっています
健康な成人78名を5つのグループに分けて、12週間の有酸素運動をしてもらった研究。



この研究では、有酸素運動においても、時間を増やすほど心肺機能に関する”無反応者”が消えたことが報告されています
| グループ | 週あたりの運動時間 | 第1期(6週間)終了時のノーレスポンダー率 | 第2期(追加で週120分運動)終了後の結果 |
| グループ 1 | 60分 (1時間) | 69% | 0%(全員に反応あり) |
| グループ 2 | 120分 (2時間) | 40% | 0%(全員に反応あり) |
| グループ 3 | 180分 (3時間) | 29% | 0%(全員に反応あり) |
| グループ 4 | 240分 (4時間) | 0% | (第1期で全員反応したため実施なし) |
| グループ 5 | 300分 (5時間) | 0% | (第1期で全員反応したため実施なし) |
まず一つ目の結果として、週4時間以上の有酸素運動をしたグループの中には無反応者はいない。
逆に有酸素運動の時間が1時間経るごとに、3割、4割、7割と無反応者が増えてくる。
そしてもう一つ重要なのが、無反応者たちも有酸素運動の時間を追加することによって、ちゃんと心肺機能が向上したということ。
つまり運動における無反応者というのは、シンプルに「量が足りない」人である可能性が高い。



自分がもしも本当に筋肥大しづらいハードゲイナーだと思うなら、まずはセット数を増やすのが一番手っ取り早いと思います
ハードゲイナーの基本戦略は「食べまくる」こと
とりあえず筋トレの量を増やしたことがいいのはわかった。食事はどうすればいいの?



食事に関しては、ハードゲイナーの基本戦略は”食べまくる”でOKです
カロリーを増やすと筋肉が増える可能性が上がる
基本的に摂取カロリーを上げるほど、大幅に筋肥大する確率は高まります。



普段なら脂肪が増えるデメリットと隣り合わせの諸刃の剣ですが、ハードゲイナーは脂肪が増えてもいい人がほとんどだと思うので、とにかく食べてください。
39名のエリートアスリートを対象にした研究。
自由摂取(Ad Libitum Group:ALG) vs +500kcal(Nutritional Counseling Group:NCG)に分かれてもらい、週4のトレーニングをしてもらった。


まず全体として、カロリーを増やすほど筋肉量もやや微増傾向(とはいえ、有意差はない)。
それ以上に変化が激しいのが脂肪量で、やはり摂取カロリーが多いほど脂肪が増えやすい傾向にある。
これが全体の結果になるが、この研究では各被験者の個別のデータも(珍しく)載っている。



これをみてみると、絶対数で考えるとカロリー過剰にしているグループのほうが大幅に筋肥大している人は多いことがわかります
実際に左側の大幅なカロリー過剰をしたグループの方が4%以上の筋肥大が4人いるのに対して、右側の維持カロリー程度では1人しかいない。
つまり、摂取カロリーが多いほど大幅な筋肥大を達成する確率は高くなる。
本来ならカロリーを増やすのは筋肉が増えるか分からない状態ではギャンブルに近い。
でもハードゲイナーは筋トレ初心者と同じで、おそらく筋肥大のポテンシャルが残っている人がほとんど。



筋肥大ポテンシャルが高い筋トレ初心者では2000kcal以上の筋トレで筋肥大したという研究すらあるので、ハードゲイナーもたくさん食べて筋トレしまくるがシンプルな解決策になります
ハードゲイナーの問題点は、食事量を増やしても運動量で相殺されがち
そして、ハードゲイナーには注意点が一つ。
それは「食べる量を増やしたときに活動的になり過ぎないように注意する」こと。



なぜならハードゲイナーは、食事量を増やしてもNEAT(=運動以外での消費カロリー)が増えて体重が増えない傾向があるからです
16名の肥満じゃない被験者を対象に、8週間にわたって+1000kcalの余剰カロリーにさせた研究。
この研究では、同じ余剰カロリーだったにも関わらず体重が0.36kg増加したから4.23kg増加した人まで様々だったことがわかっている。
なぜこんなことが起こるかというと、NEATの変化が-98kcal ~ +692kcalまでかなりの幅があったから。
実際に体重増加量とNEATの変化がどのくらい相関しているかを調べたところ、その値はr=-0.77。



これはかなり強い相関に入る部類で、食べる量を増やしても体重が増えない人はNEATがかなり高くなっていることが示唆されています。


食事量を減らせば体がだるくなるし、食事量を増やせば活気が出てきて体が軽快になるのは、誰もが少しは経験したことがあるはず。
いわゆる体重が増えづらい”ハードゲイナー”の人は、食事量を増やしたときに無意識的に活動量が増えている可能性がある。



全然食べても体重が増えない…という人は、無意識的に活動的になっていないか注意してみましょう
まとめ
今回はハードゲイナーの克服法についてまとめた。
- ハードゲイナーは確かに存在し、それは筋トレの刺激に対する閾値が高い人たち
- ハードゲイナーは、まず筋トレのセット数を増やしてみるべし
- ハードゲイナーはとにかく食べて、無意識にNEATが上がりすぎないように注意する
ちなみにハードゲイナーというのは、明らかに”外れ値”に属する人間。



一般大衆の最適解である「科学的に正しい筋トレ」では効果がでない可能性が高いので、普通の人よりもセット数を増やして筋トレも”外れ値にする必要があります



そして筋トレの閾値が高いハードゲイナーにとっては、やりすぎよりもやらなすぎのほうが問題になっている場合が往々にして多い、というのが個人的見解です
参考文献
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7. Levine JA, Eberhardt NL, Jensen MD. Role of nonexercise activity thermogenesis in resistance to fat gain in humans. Science. 1999;283: 212–214.










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