「カロリー制限はもう古い!気にすべきは血糖値だ!」
ようじゅ「まぁまぁ耳にするこの話。果たして本当なのでしょうか?」
- 低GIダイエットにデメリットはないので、完遂さえできれば”原因はなんであれ”痩せる
- 実際には低GIダイエットは継続が難しく、リバウンドする確率が高い
- 総じて優秀なダイエット法かというと、別に普通のダイエット法
ようじゅ結論をいうと低GIダイエットは効果がないとは言わないが、低GIダイエットを主張している人ほどは劇的な効果がないし、そもそも低GIダイエットを続けられるのか?という大問題があります
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気にすべきは血糖値だ!!という低GIダイエットが生まれた背景
ラット研究をベースに生まれた”炭水化物-インスリンモデル”
まず”低GIダイエット”を主張する人がよく引き合いに出すのが、”炭水化物-インスリンモデル”というもの。
超ざっくりと言ってしまえば、炭水化物によるインスリンの過剰分泌こそが肥満の原因だ!とする理論です
実はカロリー制限に代表されるモデル(EBM:Energy Balance Model)は肥満の原因を何も突き止められていない!として出てきたのが「炭水化物-インスリンモデル(Carbohydrate-inslin Model)」。
- 高GL食品によるインスリンの過剰分泌が、同化作用を促進し空腹感を増す
- 炭水化物を制限すれば(高GL食品を控えれば)、脂肪の分解と酸化が進み、自発的な食事摂取量の減少をもたらす
つまり、インスリンの過剰分泌による脂肪合成の増加&空腹感の増加こそが肥満の原因とする理論。
これが本当なら、確かに低GI食でインスリンの分泌を抑えれば脂肪合成も止まって、空腹感が減って自然と痩せるということになる。
ようじゅまずこの理論を見てはじめに自分が思ったのは、そもそもこの理論の元となっているのが”ラット研究ばかり”ということ。
ラット研究はたしかに理論解明には一役買うことも多いが、ヒトでも同じことが起こるとは限らないということに注意しなければならない。
そして実際にラット研究で理論が構築されたけど、実際にヒトで試したけど効果がなかったという例は山ほどある。
ようじゅ偏見ですが、この世に蔓延る怪しい理論やサプリというのは多くがラット研究で構築された”それっぽい理論”というのが自分のイメージです。
ヒトでも同じように低GI食で消費カロリーが増えて、食欲を司るホルモンが減った!?
しかしもちろんすべての理論がラット研究からもたらされているわけではなく、ちゃんとヒトを対象にそれっぽい結果も出ている。
ようじゅ実際に低GI食で1日の消費エネルギー量が(たった52kcalだが)増え、食欲を増すホルモンであるグレリンが減ったという研究があります
炭水化物量で3グループに分け、20週間過ごしてもらった
- 高炭水化物:60%
- 中炭水化物:40%
- 低炭水化物:20%
結果として、炭水化物量を減らすほどダイエットに有利だった。
- エネルギー摂取量に占める炭水化物の割合が10%減少するごとに、消費カロリーが1日52kcal増えた
- 高炭水化物群 vs 中炭水化物群では、中炭水化物群の方が91kcal/日大きかった
- 高炭水化物群 vs 低炭水化物群では、低炭水化物群のほうが201kcal/日大きかった
- グレリンとレプチンは、低炭水化物群の方が有意に低かった(vs 高炭水化物群)

確かに炭水化物量が増えるほど1日の消費エネルギーは増えているし、食欲を増やすホルモンであるグレリンも減っている。
たしかに理論的には低GIダイエットをすれば少なからず痩せそうだと言える。
だがこれはあくまで”理論的にはありえそう”というだけであって、実際にその通りにいくとは限らない。
ようじゅなぜなら、理論的にはありえそうだけど実際にうまくいかなかったというパターンはいくつもあるからです
- 1日6食は”タンパク質合成”を最も増やすので理論的には筋肉が増えそうだが、実際に1日3食と同じだった
- 筋トレの休憩時間を1分と短くすると成長ホルモンなどの”同化ホルモン”が増えて理論的には筋肉が増えそうだが、実際には長い休憩時間より筋肉が増えなかった
- 朝ごはんのほうが夜ご飯よりも食事性熱産生が大きいので夜ご飯を控える方が痩せそうだが、実際にはそうならなかった
ようじゅ実際に自分がこの論文を読んだ時に思ったのは、「いやいや、理論が先行しすぎじゃね...???」という感想でした
実際に低GIダイエットで痩せた...?
「どうせ主張するなら低GIダイエットで実際に痩せたという直接的な証拠が欲しいな〜」と思っていたところ、実際に「低糖質にするほど痩せた研究があるんやで?」と低GIダイエットを主張する研究者が引き合いに出していた研究があるので紹介しよう。
この研究では、確かに低脂肪食に比べて地中海食と低炭水化物食のほうが痩せたという結果になっている。
中程度の肥満男性322名を対象に、3つのグループに分けて2年間低カロリー食で過ごしてもらった
| 食事グループ | P(たんぱく質) | F(脂質) | C(炭水化物) |
| 低脂肪食 (Low-Fat)&カロリー制限 | 19.0 ± 3.2 | 30.0 ± 3.9 | 50.7 ± 5.7 |
| 地中海食 (Mediterranean)&カロリー制限 | 18.8 ± 3.3 | 33.1 ± 5.5 | 50.2 ± 8.6 |
| 低炭水化物食 (Low-Carbohydrate)&カロリー制限なし | 21.8 ± 3.9 | 39.1 ± 5.5 | 40.4 ± 7.1 |
低脂肪 vs 低炭水化物と言いつつ、実際にはPFCバランスはほぼ同じ。
そして低炭水化物群は有意にタンパク質量が多いことにも注意。
ようじゅ結果として、低炭水化物と地中海式は低脂肪よりも体重が落ちました
- 低脂肪食:-2.9kg
- 地中海式:-4.4kg
- 低炭水化物:-4.7kg
確かに数値を見ると、低脂肪食に比べて他2つのダイエット法のほうが少し有利になっている。
しかしひとつツッコミどころなのが、低炭水化物食だけ”カロリー制限がない”ということ。
つまり同じカロリーにしたときに炭水化物を減らすほど痩せたというわけでもなければ、どちらも好きなだけ食べさせたときに低炭水化物のほうが痩せたというわけでもない。
ようじゅ条件が違う部分が低脂肪 vs 低炭水化物以外にもあるので、実際に糖質を減らしたから痩せたのかは謎だと思います。
そして何より炭水化物量が多い地中海式とは同じくらい体重が減ったという結果に。
ようじゅこの研究を炭水化物を減らす方が痩せる!の根拠として使うのは、結構無理があると思います
実際に厳密な低炭水化物ダイエットで劇的に痩せた...?
ようじゅそして実はこの”謎にカロリー制限をさせない”というパターンは、なぜか糖質制限系の研究でありがちです
実際に厳しい糖質制限で低脂肪より劇的に痩せた...という研究はあるものの、この研究も一方にはカロリー制限を課しているせいでダイエット効果が低GIによるものなのかがわからない。
被験者となったのは高脂血症の患者120名。
2つのグループに分けて、6ヶ月過ごしてもらった
- 低炭水化物群
- 炭水化物の摂取量を1日20g未満に設定
- 毎週サプリメントを飲んだ
- 低脂肪食
- 1日のエネルギー摂取量の30%未満を脂肪にした
- 500-1000kcalのカロリー制限をさせた
※アトキンスダイエットの会社から資金提供あり
結果として、低炭水化物群のほうが脂肪量が減った
- 低炭水化物:-9.4kg
- 低脂肪:-4.8kg
この研究でも実際に低炭水化物ダイエットのほうが痩せたとなっているが、それは低脂肪食が”削減するカロリー量が決まっていたから”かもしれない。
たとえば低脂肪食グループも自由摂取にしたらもっとカロリーが減った..という可能性もあるので、低GIダイエットが有利なのかどうかがわからない。
ようじゅ意外なほどに厳密な糖質制限かつ糖質/脂質の条件だけ変えた研究がないので、真実は闇の中です。
DIETFITを再解析したところ、体重減少にはGI値が関係していた
そして次は、この血糖値論争でよく持ち出される研究であるDIETFITS研究というものがあるので紹介しよう。
低糖質派に対する反論でよく使われるのがDIETFITSと呼ばれる研究で、低GI派が自説を主張するために使われるのもDIETFITSと呼ばれる研究。
ようじゅちなみにこれは”The Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success (=DIETFITS)”の頭文字をとったもので、「減量の成功に関係している要因を調べるためのダイエット研究」という意味です

