「16時間ダイエットって痩せるの?」
「16時間断食をすると筋肉が落ちるって聞いたけど大丈夫?」
ようじゅ今回は、この16時間ダイエットについて紹介していきます
- 16時間ダイエットで脂肪は落ちるのか?
- 16時間ダイエットで筋肉を維持する方法
- 16時間ダイエットの具体的なやり方



16時間ダイエットは劇的に痩せる魔法ではありませんが、たしかに減量を楽にするツールです
動画はこちら
筋トレをしていれば筋肉も落ちない
まず結論から言うと、16時間断食は痩せる可能性が高い。
そして、筋トレをしていて、タンパク質もしっかり摂っているなら、16時間断食ごときで筋肉が分解されまくる可能性は低い。
断食(Intermittent Fasting)と筋トレを同時に行った場合の効果を調べたメタ分析。抜き出された研究は8件。
まず体脂肪量の結果が下記。


一番下の全体の結果(Overall)をみると、左側の16時間断食(IF)のほうに三角が偏っていることがわかる。



実際に16時間断食グループのほうが1.94~0.78kgほど多く痩せていることがわかります
一方で筋肉の結果はというと下記。


この結果をみると、筋肉の減少量は-0.82~0.28ということで、0をまたいでいる。
つまりこれは、筋肉の分解に関してはコントロールに有利とも16時間ダイエットに有利とも言えなかったことを表している。
タンパク質量が低いと筋肉が分解される可能性がある
え、でも若干三角がマイナス(左)側に傾いてない?これってコントロールより筋肉が落ちたってことじゃないの?



たしかに若干16時間断食にマイナス側に傾いていますが、これは2017年の低タンパク質の研究が元凶です
| 研究 | 著者 | 被験者 | グループ | カロリー | タンパク質 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年 [2] | Tinsley | 筋トレ経験者の男性34名 | 20時間断食(週4→16〜24時までの4時間で摂取) | 1844kcal | 0.8g/体重 |
| コントロール | 2410kcal | 1.3g/体重 | |||
| 2013年 [3] | Trabelsi | 男性ボディビルダー16名 | 平均15時間断食(Fasted stateでトレーニング) | 3436kcal | 1.6g/体重 |
| 平均15時間断食(Fed stateでトレーニング) | 3744kcal | 1.6g/体重 | |||
| 2016年 [4] | Moro | 筋トレ経験者の男性34名 | 16時間断食(13時、16時、20時+トレ後に20gのプロテイン) | 2735kcal | 1.9g/体重 |
| コントロール(8時、13時、20時+トレ後に20gのプロテイン) | 3007kcal | 1.9g/体重 | |||
| 2020年 [5] | Stratton | 筋トレ経験者の男性32名 | 16時間断食(12〜20時 or 13〜21時) | 1946kcal | 1.8g/体重 |
| コントロール | 1939kcal | 1.8g/体重 | |||
| 2019年 [6] | Tinsley | 筋トレ経験者の女性40名 | 16時間断食(12〜20時に食事) | 1624kcal | 1.6g/体重 |
| 16時間断食+3g/dayのHMB | 1489kcal | 1.6g/体重 | |||
| コントロール | 1570kcal | 1.6g/体重 |
他の研究がタンパク質を1.6g/体重以上と十分な量を担保しているのに対して、この2017年の研究だけコントロール群で1.3g/体重、20時間断食の群に関しては0.8g/体重と低タンパク質。
このように、低タンパク質×20時間断食で筋肉ががっつり減った研究が混ざっているため、メタ分析でも若干筋肉が分解されているように見えるだけ。



実際には他の研究みたいに十分なタンパク質をとりながら筋トレをしていれば、筋肉が分解される可能性は低いと思います
1年間という長期スパンで続けると筋肥大を阻害する可能性あり
じゃあずっと16時間断食でいいのね!健康にもいいって聞くし、そうしよ!



実はそういうわけではなく、長期間の16時間断食は筋肉の分解を加速させる可能性があります
というのも、実際に先ほどのメタ分析の研究は期間がどれも4-12週間だけだから。
実際に1年の16時間断食で筋肉に不利だったという研究もある。
1年間におよぶ16時間断食の効果を調べた研究。2グループに分かれて週3の筋トレをしてもらった。
- 普通の食事:8時・13時・トレ後(16-18時)・20時に食事を摂取
- 16時間断食:13時・16時・トレ後(16-18時)・20時に食事を摂取
この研究では、1年間におよぶ16時間ダイエットが筋肉に不利だったことが報告されています
- 筋肉量は断食グループに不利だった!(断食:-1.21kg vs 普通:+2.03kg)
- 腕の筋肉厚さは断食グループに不利だった!(断食:-2.1cm2 vs 普通:+5.19cm2)
- 脚の筋肉厚さは断食グループに不利だった!(断食:-4.3cm2 vs 普通:+8.04cm2)
やっぱり16時間断食は筋合成に不利なんだ!



そう思いたい気持ちはわかりますが、実はこの研究には落とし穴があります
それはこの筋肉に不利という現象を引き起こしたのが、16時間の絶食なのかカロリー不足なのかがわからないということ。



実際に、この研究では16時間断食グループのみがアンダーカロリーで過ごしていたことが報告されています
| 摂取カロリーとPFCバランス | 普通 | 16時間断食 |
| 摂取カロリー | 2942→2978kcal | 2760→2580kcal |
| タンパク質 | 1.93g/体重 | 1.92g/体重 |
| 糖質 | 53.9% | 53.3% |
| 脂質 | 24.0% | 22.7% |
実は16時間断食の減量効果というのは、自然とカロリー摂取量が減ったことによるもの。
そしてこの研究でも例にもれずカロリー摂取量が自然に200kcal減ったことが示されている。
短期間ならば200kcal程度のアンダーカロリーで筋肉が阻害される可能性は低いが、1年ともなると話は別。



実際にアンダーカロリーだったから筋肉が阻害されただけで、16時間の絶食時間を作ったことが原因ではない可能性が十分にあります
16時間断食で痩せるわけ
ちなみに先ほどの表をみると、たしかに16時間断食はシンプルに食べる量が減ることによって減量効果を発揮することがわかる。



実際に食べる量を減らすと「体重を維持するだけのカロリーを取ること」が難しいことがわかっています
体重を維持してもらったうえで8週間の1日3食 or 1日1食に振り分けたクロスオーバーデザイン。
1日1食の食事摂取後には、体重が1.4kg、体脂肪量が2.1kg減少した。
この研究は意図的にどちらの条件でも2400kcal摂るように指示されているが、1日1食の場合は被験者のほとんどが食後に極度の満腹感を報告し、与えられた時間内にすべてのカロリーを取ることに苦労していたことが報告されている。
しかも、1日1食のときは量が食べれるように高カロリーの食事が提供されていたにも関わらず、である。



実際に1日1食のときは指示されたカロリー量が摂れなかったのか、体重が減少したことが報告されています
このように、食事回数を減らすほど必要なカロリーを取るのは難しくなり、結果的に痩せる可能性が高い。



16時間断食は意図しない限り食事回数が減るので、結果的に自然とカロリーが減って痩せる可能性が高いです
16時間断食をするだけで自然と痩せる
16時間断食って、筋トレしなきゃダメなの?



筋トレなしで16時間断食をしても自然とカロリーが減って痩せることは痩せますが、同時に筋肉は多少は減少すると思います
実際に最近のメタ分析でも、16時間断食は自由摂取よりも体重が減少したことが報告されている。
自由摂取 vs 一般的なダイエット vs 各種のファスティング戦略で比較した。
実際の体重への寄与は下記の通り。


まずこの表の見方を説明すると、右側がネットワークメタ分析、左側がペアワイズメタ分析という解析方法の結果。
「なにそれ?」と思うかもしれないが、早い話はペアワイズメタ分析は「実際に実験が行われたペアを比較する」もので、ネットワークメタ分析は「実際に実験が行われていないペアについても比較した」もの。



たとえば解析に入っている論文に下記のような組み合わせしかなかったとします
- 自由摂取 vs 16時間断食
- 自由摂取 vs 一般的なダイエット
このとき、ペアワイズメタ分析では実際に存在する組である”自由摂取 vs 16時間断食”や”自由摂取 vs 一般的なダイエット”しか比較できない。
一方でネットワークメタ分析というものを使うと、直接存在しない組である”16時間断食 vs 一般的なダイエット”も比較が可能。



このように実際に存在しない組も考慮してメタ分析したものが右上、実際に存在する組だけを考慮してメタ分析したものが左下の結果です
…という解説はさておき、結果をみると16時間断食は自由摂取に比べて-2.46kgの減量効果があったことが報告されている。
このように、筋トレをしなくても実際に16時間断食で体重は落とすことができる。



しかしこのとき、筋トレをしていないがゆえに筋肉が多少なりとも落ちることは覚悟する必要があります
なぜなら、体というのは脂肪が減った分=体が軽くなった分、不要な筋肉は落とすようにできているから。



16時間断食に関わらず、ダイエットをするときに筋肉を落としたくないならば、筋トレと十分なタンパク質摂取は必須です
16時間断食は普通のカロリー制限に比べて優れているわけではない
そしてこのメタ分析をみると、16時間断食は普通のカロリー制限に比べて追加のダイエット効果は生なかったことが報告されている。
空腹時間が長い方が脂肪が燃焼するだのなんだの言っている人もいるが、実際には16時間断食だろうと普通の食事スケジュールだろうと、カロリーが同じなら同じくらい痩せる。



16時間断食に過度に期待するより、食欲を抑えてダイエットを楽にするツールくらいに捉えるのがいいと思います
16時間断食で空腹に耐えられなくなりそうになったときはカフェインがおすすめ
16時間断食が効果的なのはわかった…でもどうしても朝の空腹が耐えられないんだよなぁ…



そんな人におすすめなのが、朝にカフェインをとるという戦略です。
なぜなら、カフェインには摂取後4時間くらいの空腹感を紛らわすという能力があるから。
- カフェインが食欲に与える影響を調べたレビュー。
- カフェイン入りコーヒーまたは無水カフェインの研究のみが含まれた。
- 最終的に抜き出された研究は12件。
結果は以下の通り。
- 食事3-4.5時間前のコーヒーは食事やPFCバランスに影響を与えない
- 食事0.5-4時間前に摂取したコーヒーは直後の食事摂取量を減らす可能性がある
つまりこの研究の結果をざっくりと解釈すると、カフェインは摂取後4時間ほどは食欲を紛らわす効果があるということ。
なので朝の空腹感(とそれに伴う倦怠感)が強いという人は、カフェインを摂取するのがおすすめ。
ちなみに空腹時にコーヒーをガバガバ飲むと、体内のカルシウムとコーヒーのシュウ酸が結合して結石ができる可能性が上がるので要注意。
おすすめは”カルシウムサプリとコーヒーを一緒に摂取すること”や、”サプリとしてカフェインの錠剤を摂取する”ということ。



正直にいうと大量に飲まなければ大丈夫な気がしますが、一応そういったリスクがあることは知っておいて損はないと思います
タンパク質はできるだけ均等にする
そして16時間断食をするときに知っておくべきなのが、できるだけタンパク質を均等に配置するほど筋肉分解のリスクは低くなるということ。
このタンパク質を均等配置するほど筋肉が分解されづらくなるのは、実際に16時間断食ではない研究で確かめられている。
被験者となったのは18-26歳の男性26人。
筋トレは週2で、実験期間は8週間。
実際の摂取カロリーとPFCバランスが下記。
| 摂取カロリーとPFCバランス | 均等 | 偏り |
| 摂取カロリー | 2456kcal | 2543kcal |
| タンパク質量 | 1.45g/体重 | 1.30g/体重 |
| 朝食のP量 | 22.6g | 7.68g |
| 昼食のP量 | 31.8g | 30.0g |
| 夕食のP量 | 32.4g | 55.4g |
一方のグループはタンパク質を均等配分し、もう一方のグループは夕食に向けてタンパク質が増えていくという構成になっている。
この条件で比較したところ、筋肉量はほぼ有意差のp=0.056と均等配分に有利な結果になったことが報告されている。(均等+2.50kg vs 偏り+1.77kg)
実際にこの研究は総タンパク質量が違うので、これが総タンパク質量による違いなのか均等配分による効果なのかは不明。



そこまで神経質になる必要はありませんが、均等配分にするほど有利かも…というのも知っておいて損はないと思います
まとめ
今回は16時間断食についてまとめた。
- 16時間ダイエットは、自然と摂取カロリーが減って痩せる
- 16時間ダイエットは、筋トレをしながら十分なタンパク質量を接種すれば、筋肉も分解されない
- 16時間ダイエットは、タンパク質をなるべく均等に配置する方が筋肉は分解されづらい(かも)
実際に食欲が強すぎてダイエットが進まない…という人におすすめなのがほぼ1日1食状態にした16時間ダイエット。
これは1食目に20gのタンパク質(必要があれば2食目も20gのタンパク質)をとり、あとはすべて夕食に食べるというもの。
昼間は仕事で空腹を紛らわせることができるし、夕食にがっつり食べるのが外食もできるし生活にあっている人が多いはず。



このほぼ1日1食16時間ダイエットは自分もよく使う戦略なので、特にダイエット終盤などの食欲が強い時期に試してみるのがおすすめです
参考文献
1. Ashtary-Larky D, Bagheri R, Tinsley GM, Asbaghi O, Paoli A, Moro T. Effects of intermittent fasting combined with resistance training on body composition: a systematic review and meta-analysis. Physiol Behav. 2021;237: 113453.
2. Tinsley GM, Forsse JS, Butler NK, Paoli A, Bane AA, La Bounty PM, et al. Time-restricted feeding in young men performing resistance training: A randomized controlled trial. EJSS (Champaign). 2017;17: 200–207.
3. Trabelsi K, Stannard SR, Ghlissi Z, Maughan RJ, Kallel C, Jamoussi K, et al. Effect of fed- versus fasted state resistance training during Ramadan on body composition and selected metabolic parameters in bodybuilders. J Int Soc Sports Nutr. 2013;10: 23.
4. Moro T, Tinsley G, Bianco A, Marcolin G, Pacelli QF, Battaglia G, et al. Effects of eight weeks of time-restricted feeding (16/8) on basal metabolism, maximal strength, body composition, inflammation, and cardiovascular risk factors in resistance-trained males. J Transl Med. 2016;14: 290.
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6. Tinsley GM, Moore ML, Graybeal AJ, Paoli A, Kim Y, Gonzales JU, et al. Time-restricted feeding plus resistance training in active females: a randomized trial. Am J Clin Nutr. 2019;110: 628–640.
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8. Stote KS, Baer DJ, Spears K, Paul DR, Harris GK, Rumpler WV, et al. A controlled trial of reduced meal frequency without caloric restriction in healthy, normal-weight, middle-aged adults. Am J Clin Nutr. 2007;85: 981–988.
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