男性「忙しすぎて昨日も2時間しか寝てないんだよね」
「ジャニーズのあいつとは昔からよく飲みに行く仲でさ」
「ベイズ統計を用いた予測モデリングが大変でさ〜」



「へぇ〜そうなんだ〜(死んだ顔)」
飲み会でよくみる”自慢する男性”と”死んだ顔”の女性”という構図。
今回はなぜこんなことが起こるのか?と、その対処法について解説。



実は男性は女性の前で自慢をしますが、それが女性に響くことは皆無。そのわりに効果的だと思い込んでいるというトラップが存在します。
自慢は男性としては「自分は高価値な男だ」とアピールしているつもりになっているが、女性からは正反対の「私は自分の価値に自信がない」というシグナルとして受け取られることになる。



なぜかというと、”本当に高価値な男性は自慢する必要がない”という事実があり、その事実を女性は(無意識的に)知っているからです。
動画はこちら
結論:男性は”価値が高い男”というシグナルを送っているつもりでも、女性からは”自身の価値が低い男”というシグナルに見える
結論を先にいうと、自慢というのは女性からしたら「こいつは価値が低い男だ」と解釈される。
これはなぜかというと、本当に価値の高い男は”自慢”をする必要がないから。



このことがわかりやすいのが、「ネームドロッピング」と呼ばれるもの…いわゆる「俺は〇〇と知り合いなんだぜ」というアレのことです。
真に価値のある男というのは、”ネームドロッピングする側”ではなく”ネームドロッピングされる側”。
たとえばビル・ゲイツやイーロン・マスクがわざわざ「俺は〇〇と知り合いなんだぜ?」というだろうか?
彼らにとって自分と同レベルの著名人と会うことは日常の出来事。わざわざ誰かと知り合いなんだと自慢する必要がない。
男性側としては「俺はこんなすごい人と知り合いなんだ」とアピールしているつもりが、受け取り手の女性には「自身の価値が低いために他人の威光に頼るしかない奴’」という風に見えているのである。
自慢は嫌われる!!
実は自慢というのは対人コミュニケーションにおいて悪手で、自慢をしても相手からの好感度が下がるだけ。
これは”謙遜”という防御壁を用いても同じで、なんなら謙遜に見せかけた自慢は率直な自慢よりも嫌われる傾向がある。



なぜなら、人間は”謙遜を装って自慢する”みたいな不誠実な人間が嫌いだからです。
謙遜に見せた自慢(=Huumblebragging)は、不誠実だとみなされて率直な自慢より嫌われる。
- STUDY1:ハンブルブラギングは一般的?
- 1a:最近のハンブルブラギングを思い出してもらった
- 646名を対象に調査したところ、参加者の70.1%が最近ハンブルブラギングをされていた
- 58.9%が”不満型”(大学を2つ卒業すると、寄付の電話が多くて本当に迷惑!)、41.1%が”謙虚型”(みんながこんなすごい賞に僕をノミネートしてくれるなんてびっくりだよ!)だった
- 主な話題は「外見と魅力」「金と富」「仕事のパフォーマンス」だった
- 1b:記憶に頼らず日記を書いてもらった
- 113名を対象に調査したところ、実際にハンブルブラギングを見聞きしなかったのは8.9%だけだった
- 1c:SNSでもハンブルブラギングはみられるのか?
- 740件のツイートを分析したところ、SNSでもハンブルブラギングが一般的だった
- 1a:最近のハンブルブラギングを思い出してもらった
- STUDY2:ハンブルブラギングはどんな印象を与えるのか?
- コーヒーショップにいる大学生113名を対象に、2つの方法で署名を依頼しつつ、「今年の夏は何をする予定ですか?」と質問した
- 率直な自慢「いいですね!私は夢だったインターンシップが決まって、パリへの渡航費も出ることになったんです」
- ハンブルブラギング「いいですね!私は夢だったインターンシップが決まって、パリへの渡航費も出ることになったんです。本当に、どちらを選ぶか難しくて困るなぁ」
- 率直な自慢は、ハンブルブラギングよりも優位に署名率が低かった(85.7% vs 64.9%)
- コーヒーショップにいる大学生113名を対象に、2つの方法で署名を依頼しつつ、「今年の夏は何をする予定ですか?」と質問した
- STUDY3:ハンブルブラギングが与える印象
- 403名を対象に、ツイートを評価してもらった
- ハンブルブラギングは、率直な自慢よりも好感度・有能さ・謙虚さのすべての指標で評価が低かった
- 不満型よりも、謙虚型のハンブルブラギングのほうがネガティブに評価された(不誠実だと評価された)
- 403名を対象に、ツイートを評価してもらった
- STUDY4:なぜ効果が薄いのに、人はハンブルブラギングを行うのか?
- 3つの目標に関して、それぞれ不満・自慢・ハンブルブラギングの3つの中からどんな戦略を取るかを調べた
- 目標1:好かれる(同情を誘う)
- 目標2:尊敬される(いい印象を与える)
- 目標3:好かれるし尊敬される
- 目標3の場合、50%がハンブルブラギングを選択した
- ハンブルブラギングを使う人は、不満(同情を誘う)と自慢(いい印象を与える)を同時に行えば両方のメリットが得られると思い込んでいた
- 期待に反して、受けてはハンブルブラギングを最も好感度が低いと評価した
- 有能さの評価においても、ハンブルブラギングは率直な自慢よりも低く評価された
- 3つの目標に関して、それぞれ不満・自慢・ハンブルブラギングの3つの中からどんな戦略を取るかを調べた
- 「いや〜、大手のA社とB社から内定が出ちゃって、どっちに入るか迷うな〜」
「大学を2つ卒業すると、両方の同窓会に寄付しなくちゃいけなくて大変!」
「最近びっくりしたことがあってさ、〇〇賞にみんなが僕のことをノミネートしてくれてたんだよ。」



このような”謙遜にみせかけた自慢”は、自慢の好感度マイナスポイントに”不誠実”のマイナスポイントを上塗りするので、より嫌われます。
謙遜風にしたらいいというわけではなく、率直な自慢だろうと謙遜しようと自慢は嫌われるのである。
シグナリング理論でいうならば、自慢は「僕は自分の価値をアピールしなきゃ価値を認めてもらえない人です」というアピールにしかならない
でも自慢しなきゃ”俺の年収の高さ”や”俺の地頭の良さ”は伝わらないじゃん?



これは自慢する側が陥りがちな思考ですが、そもそも自慢しなきゃいけないほどの”年収”や”地頭の良さ”しか持っていませんよ、とアピールしているだけです。
このことにおいて重要なのが、”シグナリング理論”と呼ばれるもの。
これは動物の行動を「私は〇〇ですよ」というシグナルとして解釈するもの。



一番有名なのが”オス孔雀の羽”の話で、なぜこんな”生存に不要すぎるもの”を孔雀のオスでは淘汰されなかったのか?という問題につながります。
オス孔雀の羽というのは、人間からしたらただただ綺麗なもの。
しかしオス孔雀本人からしたら、綺麗どころか生存に邪魔なものでしかない。
- 羽が大きいほど、移動の邪魔になり捕食者に食べられやすくなる
- 鮮やかな羽を維持するのに、莫大な維持コスト(=食料)が必要
- 孔雀の羽は色鮮やかで目立つので、捕食者に発見されて食べられるリスクが上がる


なぜ孔雀がこんな生存に不利なものを備えているかというと、この羽こそが「俺は優秀なオスなんだぜ?」という主張になるから。
- 羽が大きくて動きづらいのに、捕食者に食べられずに生きている俺
- 羽の維持に莫大な維持コストがかかるのに、餓死せずに生きている俺
- 羽のせいで捕食者に見つかりやすいのに、まだ生きている俺



これは”ハンディキャップ仮説”と呼ばれており、これですべてが説明できるわけではありませんが納得できる話ではあると思います
シグナリングのために自分にわざと負荷をかける”ハンディキャップ理論”を提唱した論文。j
要するに”あえて自分にハンデを負わせること”で、自分の有能さをアピールしているということになる。
実はシグナリングにはあえてハンデを負わなくてもいいものもあるが、シグナリングは”誠実”であることが大事。
シグナリングにおいては、互いのシグナルが信頼できる”誠実性が重要”である
たとえばよく出てくるのが、ガゼルのストッティングという行為。
これはガゼルが逃げる時に”4本足で同時に高く跳躍する”というもので、これはガゼルが「俺は元気だから追いかけるだけ時間の無駄だぜ???」というシグナルを送っていると言われる。
- ガゼル:跳ねることで体調が万全なことをシグナリングする
- 捕食者:そのシグナルが本当ならば、捕獲が難しい獲物を追いかけ回す労力を節約できる
このシグナルが本当なら、ライオンはこのガゼルではなく”手負いでストッティングできないガゼル”を狙った方が、お互いにWin-win。(ガゼルは逃げられるし、ライオンは無駄な労力を使わなくて済む)



逆にこれが”簡単に偽装できるシグナル”なら、受け取り手はシンプルに”無視”します
ガゼルのストッティングは足に傷を追っていれば不可能だし、孔雀の羽も栄養不足であれば綺麗には育たない。



このようにシグナルは”低層の個体”には偽装できないというのが大事になります
言葉での自慢は、誰でもできるゆえに”本当に高価値な個体”の証明にはならない
そしてシグナルの偽装という意味では、言葉での自慢はあまりに簡単。



いうまでもなく、言葉でいうだけなら誰であろうとできるからです
- 「忙しすぎて昨日も2時間しか寝てないんだよね」
- 「ジャニーズのあいつとは昔からよく飲みに行く仲でさ」
- 「ベイズ統計を用いた予測モデリングが大変でさ〜」
これらの自慢の真偽というのは、正直いうと相手にはわからない。
なので男側からしたら「本当に有能な個体」としてのシグナルを送っているつもりが、女性には華麗にスルーされる。



それどころかむしろ、「必死に自分をアピールしないといけない低能な個体」というシグナルになってしまう可能性すらあります
というのも、本当に価値の高い個体というのは、必死に自分をアピールする必要がない。
たとえばビルゲイツがわざわざ「俺はマイクロソフトっていう会社を作って〜、年収はいくらで〜」と自慢したり、吉沢亮がわざわざ「俺は実は芸能人で〜、年収はいくらで〜」と自慢したりするだろうか。



ビル・ゲイツや吉沢亮と話したことがないので知りませんが、おそらく彼らはそんな自慢はしないでしょう
なぜなら、ビル・ゲイツや吉沢亮は自慢しなくてもその存在の希少性が世の中に知られているから。
つまり、自慢をする必要がないのである。
実際に、本当に高価値の個体は”自慢”などの積極的なシグナルの送信をしないことが知られている。
中間層は低層と区別してもらうためにシグナルを送るが、高層は中間層と区別されるためにシグナルを送らない
たとえばよく資産20兆円超えとも言われるウォーレン・バフェットが大衆車に載っていることが話題になるが、それは彼が資産数十兆円の大富豪だと知られているから。
つまり本当に高価値の個体にとっては、”シグナルを送らないこと”が逆に超強者のシグナルになる。
自慢はあまりにも安っぽい上にスルーされる上、私は”自慢しなければならないくらいには高価値ではないです”と自分で自白しているものなのだ。
なぜ自慢はうまくいかないのに、男たちは自慢を繰り返すのか?
いやいや、でも自慢で俺の凄さを見せつけなきゃ、低レベルな男だと思われちゃうでしょ?それに、俺の自慢に女の子はいつもすごいって言ってくれてるよ?効果でてるじゃん



正直にいうと、その感覚はあなたの勘違い。「この子イケるかも」と思っているのは、地球上であなただけです
男性は「この女の子、もしかしたら俺のことが好きなんじゃ…!?」と勘違いしやすい
なぜそのように言えるかというと、男性は「この女性は自分に気があるかも!?」と思いやすいバイアスがあるから。
これは「ヒトはリスクの低い方のエラーを許容するようにできている」という”エラー管理理論:Error Management Theory”に基づく考えで、男性には性的過大知覚バイアス(Sexual Overperception Bias)と呼ばれるバイアスがある。



いうならば男性は「この女の子は自分に気がある」と勘違いしやすいというのがこのバイアスです
一方で女性には、「この男の人は私に気がないかも」と勘違いしやすい”性的過小評価バイアス”が備わっていると言われている。
なぜこのような違いが生まれるかというと、男女で”勘違いによるリスク”が圧倒的に違うから。
男性は女性のわずかな行為を見逃すエラー(繁殖機会の喪失)よりも、女性の単なる親切を好意と勘違いするエラー(拒絶による自尊心の低下)のほうを許容するようにできている。
逆に女性は、自分にそんなにコミットメントするきがない男性との子どもを作ることが一番リスク。



女性は妊娠期間など子どもを作ることによるリスクが男性より極めて高いので、自分に猛烈に興味がある男性と子孫を残すようにバイアスがかかっていると言われています
実際にアメリカのスーパーマーケットでは、従業員13名(うち女性12名)が「笑顔で接客」に苦情を申し立てたところ、男性客によるストーカー行為やハラスメントが激減したという有名な話がある。
このエピソードは、男性がいかに勘違いしやすいかを物語っているエピソードとして良く紹介されます。
実際にこの”性的過大評価バイアス”は、研究でも確かめられている。
被験者となったのはテキサス大学に属する異性愛者の大学生男女216名。質問票で下記を聞いた。
- 過大評価(Overperception):過去1年間の間に、親切にしただけなのに恋愛感情があると勘違いされた経験はありますか?
- 過小評価(Underperception):過去1年間の間に、恋愛感情があったのにただの親切だと誤解された経験はありますか?
結果として、女性は親切を好きだと勘違いされることが多かった。(男性はそうではなかった)




ちなみにこの研究では、配偶者価値が高いほど”勘違い”されることも報告されている。



これは”価値が高いほどチャンスを見逃すわけには行かない”というバイアスが働いている可能性もあれば、シンプルにアタックされる回数が多い可能性もあります
このように程度の差こそあれ、男性が女性に対して「俺のこと好きかも!?」と勘違いしやすいのは事実。



つまり「自分の自慢で相手が退屈している<自慢によって自分をすごい人間だと思っているかも=ワンちゃんいける」という図式が成り立ってしまいます
価値はアピールするものではなく、滲み出るもの
それじゃあ実際に口で伝えられないならどうすればいいの?



自分が優秀な個体だと言うのは”自分から口で言うもの”ではなく、相手が察するものです
実際に口で伝えるよりも、その資質がない人間が偽装できないものをシグナルとして送り続けるのが有効。



具体例を上げるとこんな感じです
金銭的リソースが”ありあまっている”とシグナルする
- NG:これだけ稼いでいて〜と言葉で自慢する
- OK:食事のときは奢る。高級なものを身につける



高級店を驕り続けるのは、低年収の人には不可能。さらには、「私はあなたに金銭的リソースを分け与える個体です」というアピールにもなります
頭がいいとシグナルする
- NG:地頭がよくて〜と言葉で自慢する
- OK:東大卒などの肩書きを手にいれる



自分で”頭がいい”というのはNG。今更どうしようもない可能性も高いですが、学歴などが一番早いです
ボディランゲージで強い個体だとシグナルする
- NG:周りを見渡してキョロキョロする
- OK:リラックスした状態で接する。(注目のあつまる警戒色を身につける)



ヒトを含む動物において、”周りを常に警戒する”のは弱い個体の証。逆に”リラックスして無防備な状態”は強い個体の証として働きます
このように、シグナルは基本的に”偽装不可能な形でさりげなく”送るもの。



口で自慢するのは偽装可能なのでスルーされるのがオチです
まとめ
今回は「なぜ男がつまらない自慢を繰り返すのか?」についてまとめた。
- 男は自慢=有能とアピールしているつもりだが、女性には無能アピールとして受け取られている
- 男性は性的過大知覚バイアスのために、女性がつまらなさそうにしていることに気づかない
- 真に高価値な個体である場合、口で伝えなくても伝わるはず
自分が価値があって自慢したいことでも、自分で口で伝えなきゃ伝わらない時点で大した価値ではない可能性が高い。



その価値を口で伝えるのではなく、口で伝えなくても伝わるくらいの価値になるまで努力するのが真に価値の高い男の態度だと思います
参考文献
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