男性カフェインはダイエットに効果的なの?



カフェインで脂肪が燃えるって本当?



今回はそんな疑問に答える「カフェインとダイエット」に関する回です
カフェインにはメリットもあればデメリットもある。
- デメリット
- 睡眠を阻害する
- メリット
- 脂肪のエネルギー利用が増える
- 代謝が上がる
- 食欲を抑制する
この記事ではメリットがデメリットを上回るカフェインの摂取法をご紹介。



結論を言ってしまえば、オススメなのは①運動前②16時間断食をしているときの朝になります
カフェインは睡眠を阻害する



まずはカフェインのデメリットについて紹介していきます
カフェインの摂取で睡眠が乱れる



カフェインの圧倒的なデメリット、、、それは睡眠を乱してしまうことです
- 「就寝前にカフェインを摂取すべきでない時間」を調べたメタ分析
- 抜き出された研究は24件
結果として、カフェインの摂取は総じて睡眠に悪い影響を与えた。
- カフェイン摂取は睡眠時間を45分低下させた
- カフェイン摂取は睡眠効率を7%低下させた
- カフェイン摂取を入眠時間を9分増加させた
- カフェイン摂取は入眠後の覚醒時間を12分増加させた
- カフェインは深い睡眠の時間(-11.4分)と割合(-1.4%)を減少させた



みなさんのご想像通り、カフェインは睡眠にとって悪影響しか及ぼしませんでした
睡眠不足はダイエットに悪影響



そしてこちらも想像に難くないですが、睡眠不足は体型に悪影響を及ぼすことがわかっています
- 被験者となったのはBMIが25-32の肥満男女10人
- 2つの条件で670kcal/日のカロリー制限をしてもらった
- カロリー制限+睡眠不足
- カロリー制限のみ



消費カロリーの32.5%しか摂らない厳しいカロリー制限です
カロリー制限のみのグループには8.5時間寝てもらい、睡眠不足グループには5.5時間に睡眠を制限してもらった。
この条件で2週間のダイエットで体型がどのように変わるかを測定したところ、以下のような結果に。



体重減少量はどちらも同じですが、脂肪と筋肉量には差があることがわかります。
睡眠を5.5時間に制限したグループは、睡眠を8.5時間取ったグループより脂肪ではなく筋肉が分解されていた
実はラット研究でも、睡眠不足で筋肉が分解されることが判明している。(R,R)



「睡眠不足で筋肉が分解される」という現象がヒトでも実証された形になります
睡眠指導をするだけでも脂肪が減った



さらには睡眠指導をしただけで体型にプラスの効果が合ったことを示した研究すらあります
- 被験者となったのは筋トレ未経験者の男性22人。
- 2つのグループに分かれて10週間の筋トレをしてもらった。
- 筋トレを始めたグループ
- 筋トレを始めるときに睡眠指導もしたグループ
実際に睡眠指導で使われたガイドラインも紹介しておきます。
- 寝るときに部屋を暗くし、静かで涼しい環境を作ること
- 週末も含め、同じ時間に寝て起きること
- 8時間は睡眠時間を確保すること
- 寝る2時間前は以下のように過ごすこと
- 照明を暗くする
- スマートフォンやPCを見ないか、ブルーライトフィルターを使い光量を落とす
- エクササイズをしない
- 食べ物やカロリーのある飲み物(コーヒーや紅茶)を摂取しない
- 気持ちが落ち着く活動をし、対人関係のトラブルなどは避ける
- 朝目覚めたら、すぐにできるだけ多くの光を浴びること
- コーヒーは寝る前の6時間は飲まないこと
- 目覚ましがなくても起きれる十分な睡眠時間を確保すること
- ベッドの中で電子機器を使わないこと
- 夜寝るときや夜中に目覚めたときはリラックスできる方法を実践すること
実際の結果は下記のとおり。
睡眠指導をしたグループのほうが、脂肪が落ちて筋肉も増加傾向となっている。
この研究では、実際に「睡眠に気を遣う」ように指示しただけ。



それにも関わらず体型にポジティブな影響を及ぼした、というなかなか驚きの研究です
睡眠を阻害しないカフェインの摂取時間は?
じゃあ睡眠を阻害しない時間帯にとればカフェインは摂ればいいことになる。
それでは実際に就寝何時間前ならカフェインを摂取しても問題ないのだろうか?
睡眠6時間前ならカフェインを摂取しても大丈夫?
ネットでもよく書かれているのが「カフェインは睡眠の6時間前に摂れば大丈夫」説。
しかし、実はこれはみなさんが思っている以上に根拠が薄い。
この説で根拠とされているのは大体2パターン。
根拠①2013年の研究



一つ目のパターンは、2013年の研究を持ち出す人たちです
- 「就寝前の0,3,6時間前のカフェイン摂取が睡眠を阻害するのか」を調べた
- 結果として、どの時間帯においても睡眠が阻害された
この研究では就寝6時間前の摂取で睡眠が阻害されることは分かっているが、「何時間前なら大丈夫なのか」はわかっていない。



この研究では6時間より長いグループがないので、7時間なら大丈夫なのか9時間じゃないとダメなのかはわかりません
根拠②カフェインの半減期が4-6時間だから
もう一つの根拠は、カフェインの半減期が4-6時間だからというもの。
確かにカフェインの半減期が4-6時間なのは事実だが、血中濃度が半分になるというだけで、カフェインを6時間前までに飲んでいいという根拠としては意味不明。



ちなみにカフェインの半減期は2-10時間と個人差も大きいことを付け加えておきます(R)
このように「睡眠の6時間前までに摂れば睡眠を阻害されない」というのは一般に思われている以上に根拠がないのだ。
カフェインは何分前に摂れば睡眠を阻害しないのか?
そんなところに、カフェインは就寝何時間前に摂ればいいのか?のガイドラインとなる研究が2023年に出てた。
- 「就寝前にカフェインを摂取すべきでない時間」を調べたメタ分析
- 抜き出された研究は24件
この研究ではカフェイン量別に、午後10時に寝ると仮定した場合のカットオフ値(回帰直線の95%信頼区間がゼロと重ならない点)が産出されている。



このカットオフ値は、簡単に行ってしまえば「この時間を過ぎるとほぼ確定で睡眠が阻害される」という時間です
- 217.5mg→8:50頃(13.2時間前)
- 107mg→13:12頃(8.8時間前)
- 47mg→寝る直前もOK
コーヒー1杯程度のカフェイン量でも昼過ぎ、サプリレベルのカフェインなら早朝に摂らなければ十中八九睡眠は阻害される。



しかもこの値は「ほぼ確実に睡眠が阻害される時間」なので、この時間以前でも睡眠が阻害される可能性は全然あります
つまるところ、カフェインは朝か百歩譲って昼までには摂らないと睡眠が阻害されてしまうことがわかったのだ。
朝にカフェインを摂ってはいけない?



とはいえ、朝にカフェインを摂っちゃいけないって聞いたことがあるんだけど・・・



自分自身その話は聞いたことがあってなんとなく信じていましたが、よくよく調べてみると根拠が薄いです
寝起きのカフェインはコルチゾール増加のタイミングだから意味ない説
覚醒作用があるコルチゾールと一緒に接種しても覚醒効果が得られない!
実は寝起きというのはコルチゾールの爆増が起こり、これはコルチゾール覚醒反応と呼ばれたりする。(R)
コルチゾールが体を起こしているときにカフェインを摂取しても、覚醒が得られなくて意味がないというのが主張だ。
コルチゾールの爆増が寝起き20-30分に起こるのは事実だが、そもそもアデノシンとコルチゾールは覚醒作用が別。
実は睡眠覚醒プロセスには2つの経路があるとされている。(R)
- プロセスS:必要に基づく睡眠衝動。起きている間に上昇し、寝ている間に減少する(アデノシン)
- プロセスC:睡眠傾向の概日性によって決まる。すなわち習慣。調整しているのは視交叉上核とホルモンたち
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簡単に言ってしまえば「疲れて眠くなる」と「この時間だから眠くなる」の2つがあります
コルチゾールはプロセスCに関連しているが、カフェインが関係しているのはプロセスSの「疲れて眠くなる」のほう。



しかもこれらのプロセスは”相加的ではない”とされています。
つまり疲れて眠くなるパターンもあれば、時間で眠くなるパターンもある。
これらの経路は基本的に別なので、むしろカフェインとコルチゾールの両方が被ってどちらのプロセス的にも覚醒していないと意味がないということになる。
朝にカフェインを摂ると、コルチゾールと競合してだるくなる説
朝にカフェインを摂取すると、コルチゾールと競合しあって体が良く目覚めません。よってむしろだるくなります!



たまに見かける話ですが、これに関しては根拠が一切謎です
なぜならカフェインというのは、どちらかといえばコルチゾールを刺激する作用があるから。
- 被験者となったのは男女96人。
- 午前9時、午後1時、午後6時にカプセルを摂取。メンテナンス5日間→6日目が試験日
プラセボに比べて、カフェインを摂取したグループというのはコルチゾールが高くなっていることがわかる。
このように、カフェインというのはコルチゾールを刺激する作用がある。
逆にコルチゾールが刺激されるからダメという主張もあるが、なんとなくコルチゾール=ストレスホルモン=悪という前提のもと論が展開されていることがほとんど。



実際にヒトでどのようなデメリットがあるのかを示した研究は皆無なので、コルチゾールとの関係は完全に無視してOKです
朝にカフェインを摂取すると血糖値が上昇する
カフェインを朝に摂取すると血糖値が上昇する!



こちらもチラホラ見かける説ですが、この話には大事な”前提条件”があります
このカフェインによる血糖値上昇の根拠となったのが2020年の研究。
29名を対象にした無作為化クロスオーバーデザイン。
- 普通の睡眠(23時-7時まで寝る)
- 断片的な睡眠(23時-7時まで寝るが、1時間ごとに5分起こされる
起床約1時間後にコーヒーを摂取(ブラックコーヒーとして300mgを摂取)。
結果は下記の通り。
- 断片睡眠&カフェインは、断片睡眠やコントロールに比べて血糖値を大きく増加させた
- 断片睡眠だけでは血糖値はコントロールと同じだった
つまるところ、断片睡眠をした朝にカフェインを摂取すると血糖値が上昇するというのがこの研究の結果。
実際に研究の結論にも「乱れた睡眠をリセットしようとコーヒーを朝に飲むのはよくないかもしれない」と書かれている。



もしあなたが1時間ごとに5分起きるというキテレツな睡眠スタイルなら確かに早朝にカフェインを摂らないほうがいいかもしれませんが、普通の睡眠スタイルなら気にしなくてOKです
朝は脱水状態なので、利尿作用のあるカフェインを摂取するとさらに脱水になる
朝は長く水を飲んでおらず脱水状態。利尿作用があるコーヒーを飲むと脱水が加速するので摂取はやめましょう



これもよく聞く話ですが、そもそもカフェインの摂取で脱水になるのが普通に嘘です
被験者となったのは男性72人。
各飲料を被験者に飲んでもらった後、摂取後4時間の体液バランスをモニターした。
コーヒーを含むどの飲料も、摂取後1時間は水分バランス的にはプラス。
さすがに摂取後3,4時間もすると尿から出ていく量のほうが多くなってくるが、カフェインを飲んだからと言って脱水になることはない。



実際にこの研究ではカフェインの水分補給指数というのも調べられています
コーヒーの水分補給は水とほとんど同じで、いくら利尿作用があるとはいえ飲料を飲んで脱水になるということはない。



そしてカフェインの利尿作用には耐性がつくこともわかっているので(R)、こちらも朝のカフェイン摂取を控える理由にはなりません
他にも「空腹時にコーヒーを飲むと胃があれる」という主張もあるが、カフェインの胃酸分泌促進はラット研究では示されているがヒトでの効果はまちまち。(R)



このようにカフェインは寝起きや朝に飲んではいけない、と言える絶対的な理由はありません
むしろ遅くに摂れば摂るほど睡眠が阻害されることを考えると、やはり朝がベターではないだろうか。
カフェインは脂肪を燃焼する?
ここからはカフェインのメリットについて解説していきます…まずは多くの人が気になるであろう脂肪燃焼から。
カフェインで脂肪燃焼!というのはよく聞く話。
というのもカフェインには理論的には脂肪燃焼を助けそうな働きがいくつかある。
カフェインでホスホジエステラーゼが阻害される



カフェインは細胞内のcAMP濃度を高めることによって、脂肪酸の動員を助ける働きがあります(R)
- アデノシン受容体A1をブロックすることにより、アデニリルシクラーゼの活性化を促進
- ホスホジエステラーゼを阻害することによって、cAMPの分解を抑制
- 運動によるノルアドレナリン放出の感受性を高める(R)
右側にある脂肪滴(Lipid Droplet)をエネルギーとして利用するために重要なのがcAMPの活性化。



カフェインはそのcAMPの活性化を補助するような働きがあります
そのメカニズムはアデノシン受容体orホスホジエステラーゼ阻害の2択。



しかし実際には、ホスホジエステラーゼを阻害するためにはアデノシン受容体阻害作用の20倍という超生理学的な量が必要なので現実的ではありません(R)
とはいえ、アデノシン受容体阻害作用にも脂肪燃焼に効果的なメカニズムがあるのも確か。
ということで、実際にカフェインは体重減少に効果的なのかを直接的に調べた研究を見てしまおう。
カフェインで体重減少効果が確認された
- カフェインは体重減少に効果的なのか?を調べたメタ分析
- 抜き出された研究はランダム化試験13件606名
実際の研究がこちら。
| 2019年のメタ分析 | 被験者 | カフェイン量 | 他サプリ摂取量 | 95%CI | ES | 95%CI |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Molnar et al. (2000) | 肥満の子供32人 | 300mg | エフェドリン30mg | 0.49 | 0.55 | 0.81 |
| Bakuradze et al. (2011) | 男性33人 | コーヒー750ml | – | -0.01 | 0.12 | 0.26 |
| Boozer et al. (2002) | 肥満の男女167人 | 192mg | エフェドリン90mg | 0.05 | 0.11 | 0.18 |
| Coffey et al. (2004) | 肥満男女102人 | 360mg | エフェドリン60mg サリシン90mg | 0.09 | 0.17 | 0.25 |
| Hackman et al. (2006) | 肥満女性61人 | 100mg | エフェドリン40mg | 0.38 | 0.55 | 0.72 |
| Davoodi et al. (2014) | 肥満女性60人 | 5mg/体重 | – | 0.01 | 0.07 | 0.13 |
| Hursel et al.(2009) | 肥満男女40人 | 150mg | 緑茶270mg | 0.09 | 0.15 | 0.21 |
| Liu et al. (2013) | 肥満男女90人 | 600mg | エフェドリン60mg | 0.40 | 0.55 | 0.71 |
| Colker et al. (1999) | 肥満23人 | 528mg | citrus aurantium975mg セントジョーンズワート900mg | 0.68 | 0.95 | 1.22 |
| Boozer et al. (2001) | 肥満男女 | 240mg | エフェドリン72mg | 0.36 | 0.5 | 0.64 |
| Thom (2007) | 肥満男女30人 | コーヒースレンダー10g (vs デカフェ) | – | 0.33 | 0.42 | 0.51 |
| Overall | 0.24 | 0.36 | 0.48 |
この表を見て分かるのが、カフェインだけを調べた研究というのが3件しかないということ。



ほとんどの研究が他サプリとの併用、しかもより作用が強いエフェドリンと組みあわされているという欠点があります
エフェドリンとECAスタック



そもそもエフェドリンってなんなの?



エフェドリンというのは1990年代にダイエットサプリとして流行した物質です
1990年代には流行したダイエットサプリ「ECAスタック」
1990年代に流行したサプリの組み合わせにECAスタックというものがある。



これは3つの物質の頭文字をとってECAスタックと呼ばれます
- Ephedrine(エフェドリン):ノルアドレナリンの放出を促す
- ノルエピネフリンと同じβ受容体アゴニスト
- α1,β1,β2アドレナリン作動性受容体を刺激することによる直接作用
- 貯蔵物質からのノルエピネフリン放出を促進する間接作用
- Caffeine(カフェイン):ノルアドレナリンの分解を阻害する
- アデノシン受容体アンタゴニスト
- アデノシン受容体が活性化されるとノルエピネフリンの放出が阻害される(R)
- Aspirin(アスピリン):ノルアドレナリンの分解を抑制
- ノルエピネフリンの放出を抑制するプロスタグランジンの合成を阻害(R)
ECAスタックの主な効果を担っているのがエフェドリン。
エフェドリンのノルアドレナリン放出作用を助けるようにカフェインとアスピリンを組み合わせたのがECAスタックになる。(R)
このエフェドリンは作用も強いですが副作用も強いことが判明し、現在となっては医薬品に分類されていてサプリでとることは不可能。(R,R)
カフェインはエフェドリンの効果を増強するが、カフェイン単独では効果がなかった
そんなエフェドリンと組み合わせた研究がほとんどというのが先ほどのメタ分析の欠点。



結果は体重減少に効果ありとなっていましたが、カフェイン単独では効かない可能性が十分にあります
被験者となったのは肥満者180人。
エフェドリンやカフェインとその併用が体重減少に効果があるのかを調べた。
1003kcalの食事と、1日3回24週間の投与を行った。
- プラセボ
- エフェドリン20mg
- カフェイン200mg
- エフェドリン20mg+カフェイン200mg
8-24週の体重減少に関する結果は下記の通り。
- 併用したグループはプラセボよりも体重が減少した(併用16.6kg vs プラセボ13.2kg)
- エフェドリン単独やカフェイン単独はプラセボと同じだった



カフェインはエフェドリンの効果を増強しますが、カフェイン単独では体重減少効果がなかったことが報告されました
つまるところ、カフェインはエフェドリンの”ノルアドレナリン放出作用”がないと効果を発揮しなかった。
カフェインを運動と組み合わせると脂肪が燃える



でもエフェドリンが使えないんじゃカフェインは意味ないか…



ノルアドレナリンを放出させるのは何もエフェドリンだけではないので、実は代用することが可能です
ノルアドレナリンを放出する代表的なものが”運動”である。
実際に、カフェインを飲むと運動中の脂肪燃焼が増加したという研究がある。
カフェインの摂取で運動による脂肪酸の動員が増えたことを示した。
この図を見てみると、グリコーゲンの消費量はカフェイングループのほうが少なく、脂肪酸の消費量はカフェイングループのほうが高かったことが示されている。
実際には相反する研究があったり(R)、実際にこの脂肪酸がどれくらい脂肪減少に寄与するかは分からない。
しかし、確かにカフェインが運動時の脂肪燃焼を助けるという証拠があるのは事実なのだ。
安静時にカフェインを摂ったら脂肪は燃えるのか?



それじゃあただカフェインを飲むだけでも脂肪が燃えるんじゃないの?



そう思うのは自然なことですが、実は安静時にカフェインを飲んでも脂肪酸の動員は増えない可能性が高いです
カフェインがエネルギー消費量と脂肪酸化に及ぼす影響を調べた。
| 著者 | 期間 | 年齢 | 性別 | 条件 | カフェイン量 | 体型 | エネルギー消費量 | 脂肪酸化 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Dulloo et al. (1999) (20) | 24 | 25 | 男性10人 | プラセボ | 0 | – | – | – |
| カフェイン | 150 | → | → | |||||
| Rumpler et al. (2001) (28) | 23 | 18–30 | 男性12人 | プラセボ | 0 | – | – | – |
| カフェイン | 270 | +79.2kcal | +8% | |||||
| Dulloo et al. (1989) (29) | 24 | 20–35 | 男女5人 | プラセボ | 0 | 標準 | – | – |
| カフェイン | 600 | +110kcal | – | |||||
| 20–35 | 男女6人 | プラセボ | 0 | 標準 | – | – | ||
| カフェイン | 600 | +79kcal | – | |||||
| Bracco et al. (1995) (26) | 24 | 20–35 | 女性10人 | プラセボ | 0 | 標準 | – | – |
| カフェイン | 1248 | +174kcal | → | |||||
| 20–35 | 女性10人 | プラセボ | 0 | 肥満 | – | – | ||
| カフェイン | 1604 | +98kcal | → |
この研究ではカフェインの摂取がエネルギー消費量をわずかにあげることが示されたが、脂肪酸参加は促進しなかった。
つまるところ、ただカフェインを摂っただけでは脂肪がエネルギーとして使われる割合は高くならない。
なのでやはりノルアドレナリンと組み合わせることがカフェインの減量効果には必要なのだ。
オススメ摂取時間①運動前
以上のことを踏まえてカフェインの摂取時間としておすすめな選択肢の一つが”運動前”。
ここでは趣向を変えて「理論的には効果ありそうなダイエットプロトコル」も紹介しておこう。
現代版ECAスタック



ここで自分が4,5年前にやっていた”現代版ECAスタック”を紹介しておきましょう
元ネタとなったのはLyle mcdonaldの”The stubborn fat solution”という本。
簡単に言ってしまえば、現代ECAスタックというのは「エフェドリンのノルアドレナリン放出を運動で置き換えたもの」になる。



まずは運動30分前に以下のサプリを摂取します
- カフェイン200mg→ノルアドレナリンの分解抑制
- アスピリン324mg→ノルアドレナリンの分解抑制
- チロシン1mg→ノルアドレナリンの材料となる
- ヨヒンビン20mg→α2受容体ブロッカー
先ほど紹介したECAスタックに加えて、ノルアドレナリンの材料となるチロシンと脂肪合成を促進するα2受容体ブロッカーのヨヒンビンを摂取する。(R)
そしてこの後に4分間のHIITをしてノルアドレナリンを放出させたあと、30分間のウォーキングで脂肪を燃焼させるというのが現代版ECAスタック。



過去の記事では2週間で-1.4kgとありますが、運動を入れたことで決してラク痩せではなくなりました
むしろ中枢神経作用のあるカフェインとヨヒンビンを摂取した後に運動するのは、想像以上に大変。
実際にかなり気持ち悪くて毎回「二度とやらない」と思っていた記憶があります。
最悪でもパフォーマンスは向上する



でも本当にカフェインを運動前に摂ることで脂肪は燃焼するの?実際にどれだけ効果があるのかなんてわからないじゃん・・・



それは確かに認めざるを得ませんが、少なくとも運動パフォーマンス向上効果は得られるので運動前にカフェインを摂るのはダイエット目的でも悪くない選択肢かと
- 「カフェインのメタ分析21件をまとめた」
- 抜き出されたのはレビュー論文11件(合計21件のメタ分析)
結果としては、いかなる運動においてもエルゴジェニック効果が確認されまし
- 有酸素運動:効果量0.22-0.61
- 筋持久力:効果量0.28-0.38
- パワー:効果量0.18-0.27
- 筋力:効果量0.16-0.20
またカフェインはアデノシン受容体を阻害することによる疲労軽減作用もある。



ダイエット中は運動がきつい人も多いと思うので、そういった意味でも運動前にカフェインを摂ることはメリットが大きいのではないでしょうか
カフェインを飲むだけで痩せたという研究



そもそも運動をするのがめんどくさい、、、カフェインを飲むだけで痩せないの?



実はコーヒーを飲んだだけで痩せたという研究にもあるにはあります
もう一度、2019年のメタ分析の表に登場してもらおう(R)
| 2019年のメタ分析 | 被験者 | カフェイン量 | 他サプリ摂取量 | 95%CI | ES | 95%CI |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Molnar et al. (2000) | 肥満の子供32人 | 300mg | エフェドリン30mg | 0.49 | 0.55 | 0.81 |
| Bakuradze et al. (2011) | 男性33人 | コーヒー750ml | – | -0.01 | 0.12 | 0.26 |
| Boozer et al. (2002) | 肥満の男女167人 | 192mg | エフェドリン90mg | 0.05 | 0.11 | 0.18 |
| Coffey et al. (2004) | 肥満男女102人 | 360mg | エフェドリン60mg サリシン90mg | 0.09 | 0.17 | 0.25 |
| Hackman et al. (2006) | 肥満女性61人 | 100mg | エフェドリン40mg | 0.38 | 0.55 | 0.72 |
| Davoodi et al. (2014) | 肥満女性60人 | 5mg/体重 | – | 0.01 | 0.07 | 0.13 |
| Hursel et al.(2009) | 肥満男女40人 | 150mg | 緑茶270mg | 0.09 | 0.15 | 0.21 |
| Liu et al. (2013) | 肥満男女90人 | 600mg | エフェドリン60mg | 0.40 | 0.55 | 0.71 |
| Colker et al. (1999) | 肥満23人 | 528mg | citrus aurantium975mg セントジョーンズワート900mg | 0.68 | 0.95 | 1.22 |
| Boozer et al. (2001) | 肥満男女 | 240mg | エフェドリン72mg | 0.36 | 0.5 | 0.64 |
| Thom (2007) | 肥満男女30人 | コーヒースレンダー10g (vs デカフェ) | – | 0.33 | 0.42 | 0.51 |
| Overall | 0.24 | 0.36 | 0.48 |
カフェイン単独を調べた研究の中で、一番下の研究のみが大きめの効果量を示していることがわかる。



これこそがカフェイン単独×運動なしでも痩せることができた研究です
クロロゲン酸を豊富に含むコーヒーを飲んだら痩せた



実際に体重減少に効果的という結果になった研究を詳しく見ていきましょう
- 被験者となったのは普通体型の男女12人。
- クロロゲン酸が豊富に含まれるインスタントコーヒーと、普通のコーヒーを比較した。
この研究では2つの試験が行われている。
ここではまず実際の体組成を測定したSTUDY2から紹介しよう。
STUDY2<体組成の測定>
被験者となったのは肥満男女30人。
2つのグループにわけて12週間の実験を行った
- 1日あたり5杯(11g/日)のCoffee Slender(カフェイン+クロロゲン酸90-100mg)
- 1日あたり5杯(11g/日)のNescafe instant coffee(caffeinated)(カフェイン+クロロゲン酸30-40mg)を摂取
クロロゲン酸を豊富に含むいわゆるダイエットコーヒーと普通のコーヒーを比較した研究になります
12週間後に体組成を測定したところ、以下のような結果に。
クロロゲン酸を含むコーヒーを飲んだグループは体重が3.6kg落ちたのに対して、普通のインスタントコーヒーは変わらないという結果に。



これはなぜなのか?という疑問に答えるのがSTUDY2です
クロロゲン酸を豊富に含むコーヒーは糖の吸収を抑制した



次の研究は、コーヒーを飲んでもらった後に糖の吸収を調べた試験になります
STUDY1<耐糖試験>→被験者は12人
- スクロース25gを水に溶かしたもの
- スクロース25gとCoffee Slender10g:カフェイン+クロロゲン酸90-100mg
- スクロース25gとNescafe instant coffee(caffeinated)10g:カフェイン+クロロゲン酸30-40mg
- スクロース25gとNescafe instant coffee(decafe)10g:クロロゲン酸30-40mg
コーヒー量はおよそ5杯分と、1回で摂るコーヒーとしてはかなり多め。
そして糖の吸収を調べたところ、以下のような結果に。



結果は見事にクロロゲン酸が豊富に含まれているコーヒーのみが糖の吸収を抑制したというものでした



それじゃあクロロゲン酸入りのコーヒーを飲めば痩せるんだ!



そう熱狂してしまう気持ちも分かりますが、実は他の研究でクロロゲン酸入りのコーヒーが意味なかったというものもあります
- 深煎り(クロロゲン酸が少なく、N-メチルピリジニウムイオンが多い)は肥満者の体重を減少させた
- 浅煎り(クロロゲン酸が多く、N-メチルピリジウムイオンが少ない)は肥満者の体重を減少させなかった
- コーヒーは500mLでクロロゲン酸量は深煎り(30mg)・浅煎り(261mg)



こちらの研究では、クロロゲン酸量が少ない深煎りコーヒーだけが体重を減らしたという逆の結果になっています
コーヒーは深煎りよりも浅煎りのほうがクロロゲン酸量が多いことがわかっている。
他には参考例として生豆コーヒーのサプリを調べたメタ分析がある。
- 生豆コーヒーサプリ(500mg/日のクロロゲン酸)について調べたメタ分析。
- 抜き出された研究は3件
結果は下記の通りで、生豆コーヒーは体重減少に効果があったと報告されている。
この研究はメタ分析とはいえ、研究が2件だけ。



クロロゲン酸の効果に関してはさらなる研究を待つ必要がありますが、現時点では体重に効果があるかもしれないのも事実です
しかし1点問題があって、この量のクロロゲン酸量を摂るのはあまり現実的ではない可能性が高い。
- ダイエットコーヒーを1日5杯は高すぎる
- 浅煎りコーヒーで言えば1Lも飲まなきゃいけない
さらにこれだけのコーヒーを飲むとカフェイン量が多くなりすぎて、睡眠を害する可能性がある。



なのでせっかく飲むならクロロゲン酸入りの浅煎りコーヒーを飲もうかな、くらいの心づもりがいいのではないでしょうか
結局、カフェインを摂取するだけで痩せるのか?
結局カフェインを飲むと体重が減るの?いう話だが、正直にいうと効果は期待薄。
先ほど紹介した研究でもカフェイン単独でポジティブな効果を示したのは1件だけで、2018年のメタ分析でもカフェインは体型に効果を及ぼさなかったと報告されている。(R)
脂肪燃焼に効果があるかは微妙だが、少なくとも運動前に摂って損をすることはない。
ダイエット中も運動量とパフォーマンスを担保するためにカフェインを使い、ついでに脂肪も燃えたらいいなくらいで考えるのがいいのではないだろうか。
カフェインで活動量が増えた



他にもカフェインの見逃せない効果として、活動量が増えるというものがあります
- コーヒーが健康に与える悪影響を調べた研究
- 14日間にわたって、被験者にはカフェインを摂取するorしないを指示したクロスオーバーデザイン
結果は以下の通り
- コーヒーを飲んだ日は、コーヒーを飲んでいない日より1058歩有意に多く歩いた(10,646歩 vs 9,665歩)
- コーヒーを飲んでいない日は、コーヒーを飲んだ日より36分有意に多く寝た(397分 vs 432分)
- 日頃から1日1杯以上のコーヒーを飲む人は睡眠が28.9分減少したのに対して、1日1杯未満の人は52.6分減少した
- 遺伝子型で分類したところ、代謝速度が中間と遅い人はそれぞれ34分と47分の睡眠を失ったのに対して、代謝速度が速い人は33分増加した
コーヒーを飲んだことで一日の歩数が増えたことが報告されている。
さらにはカフェインの代謝が速い遺伝子型を持っている人は、カフェインの摂取によってむしろ睡眠時間が伸びたことが報告されている。



カフェインの覚醒作用で活動的になり体は疲れているけれど、夜にはカフェインが残っていないのでよく眠れるという好循環になっていると思われます
カフェインの代謝型が速い人は全被験者88人の中で13人しかいなかったことを考えると、自分が早い代謝型に分類される可能性は低い。
しかし遅い時間ではなく朝にカフェインを摂って活動的になることは、消費カロリーを増やすだけでなくいい感じに体が疲れてぐっすり眠れるとポジティブな影響をもたらすだろう。
おすすめの摂取タイミング②16時間断食×朝コーヒー



これまで紹介してきた理由からおすすめなのが朝コーヒーですが、相性がいいのが16時間断食です
というのもカフェインというのは直後の食欲を減らす効果がある。
16時間断食をしているけれど朝の食欲が我慢できない、という人にオススメなのが朝コーヒーだ。
16時間断食は自然にカロリーと減らす
そもそも16時間断食にダイエット効果があるのか?という話だが、実は16時間断食は体重が減ることがわかっている。
- 筋トレと16時間断食を組み合わせた場合の体組成への影響を調べた
- 抜き出された研究は8件
結果は以下の通り。



16時間断食によって、脂肪量が1.36kg落ちたという結果になっています
別の長期的研究でも同じことが示されている。
1年間におよぶ16時間断食の効果を調べた研究。
2グループに分かれて週3の筋トレをしてもらった。
- 普通の食事:8時・13時・トレ後(16-18時)・20時に食事を摂取
- 16時間断食:13時・16時・トレ後(16-18時)・20時に食事を摂取
実際に各グループが摂取していたカロリーは下記の通り。
| 摂取カロリーとPFCバランス | 普通 | 16時間断食 |
|---|---|---|
| 摂取カロリー | 2942→2978kcal | 2760→2580kcal |
| タンパク質 | 1.93g/体重 | 1.92g/体重 |
| 糖質 | 53.9% | 53.3% |
| 脂質 | 24.0% | 22.7% |
16時間断食グループだけが摂取カロリーが200kcalほど減っていることがわかる。
このように16時間断食は摂取カロリーを自然に減らす効果があり、実際に断食グループだけが脂肪が落ちたことが報告されている。(-1.61kg vs +0.08kg)



16時間断食は自然と摂取カロリーを減らしてダイエットにつながる、というのが現時点での結論です
カフェインは直後の食欲を減らす



でも16時間断食は朝におなかが空きすぎて耐えられない、、、



そんな人にオススメなのが朝にコーヒーを摂ることです
実はコーヒーは飲んでから数時間くらいは食欲を抑える効果があることがわかっている。
- カフェインが食欲に与える影響を調べたレビュー。
- カフェイン入りコーヒーまたは無水カフェインの研究のみが含まれた。
- 最終的に抜き出された研究は12件。
結果は以下の通り。
- 食事3-4.5時間前のコーヒーは食事やPFCバランスに影響を与えない
- 食事0.5-4時間前に摂取したコーヒーは直後の食事摂取量を減らす可能性がある
実際に抜き出された研究は以下の通り。
| 研究 | 被験者 | 摂取量と時間 | カフェイン | コントロール | 効果 |
|---|---|---|---|---|---|
| Tremblay et al. (1988) (caffeine – men) | 男性10人 | 30分前に300mg | 816kcal | 1044kcal | ↓ |
| Tremblay et al. (1988) (caffeine – women) | 女性10人 | 30分前に300mg | 625kcal | 603kcal | → |
| Belza, Toubro and Astrup (2009) (caffeine) | 普通体型の男性12人 | 50mgのサプリ | 1125kcal | 1161kcal | → |
| Gavrieli et al. (2011)(coffee) | 男性16人 | 3時間前にコーヒー (3mg) | 1745kcal | 1745kcal | → |
| Gavrieli, Karfopoulou, et al. (2013) (lean) (3 mg/kg coffee) | 普通体型の男女16人 | 3時間前にコーヒー (3mg) | 724kcal | 765kcal | → |
| Gavrieli, Karfopoulou, et al. (2013)(lean) (6 mg/kg coffee) | 普通体型の男女16人 | 3時間前にコーヒー (6mg) | 778kcal | 765kcal | → |
| Gavrieli, Karfopoulou, et al. (2013) (overweight/obese) (3 mg/kg coffee) | 肥満体型の男女17人 | 3時間前にコーヒー (3mg) | 981kcal | 748kcal | ↑ |
| Gavrieli, Karfopoulou, et al. (2013)(overweight/obese) (6 mg/kg coffee) | 肥満体型の男女17人 | 3時間前にコーヒー (6mg) | 700kcal | 748kcal | → |
| Schubert et al. (2014) (coffee) | 男女12人 | 4.5時間前に4mg/体重のサプリ&デカフェ | 482kcal | 506kcal | → |
| Schubert et al. (2014) (caffeine) | 男女12人 | 4.5時間前に4mg/体重のサプリ&デカフェ | 547kcal | 506kcal | → |
| Leah M Panek-Shirley(2018) | 男女50人 | 30分前に1mgのカフェイン粉末 | 650kcal | 712kcal | ↓ |
| Leah M Panek-Shirley(2018) | 男女50人 | 30分前に3mg/体重のカフェイン粉末 | 714kcal | 712kcal | → |
赤で見たのが食欲に影響が合ったことを報告した研究で、カフェインを摂った直後〜数時間くらいは食欲が若干減る可能性がある。



カフェインは直後の食欲を抑える効果があるので、16時間断食中の朝に摂れば食欲はごまかせるうえに睡眠は阻害しないのでとても相性がいいです
カフェインで食欲が抑えられるから痩せる…とは限らない



カフェインで食欲が抑えられるなら痩せるんじゃないの?



ところがどっこい、そうは問屋が卸さないのです
確かにカフェインは摂取直後の食欲を減らすが、1日単位でみたらその効果は打ち消されてしまう可能性がある。
被験者となったのは成人男女50人で、以下の3条件で朝食を摂取してもらった。
- 0mgのカフェインを摂取
- 1mg/kgのカフェインを摂取
- 3mg/kgのカフェインを摂取
カフェインの摂取量を変えてビュッフェ形式の朝食をとってもらい「カフェインは食欲を抑えるか?」を調べたところ、以下のような結果に。
- カフェインを1mg/kg摂取したグループ(650.4±52.2kcal)は、プラセボ(712.2±63.2kcal)や3mg/kg(714.7±79kca)より食事量が約10%少なかった!
- 24時間の食事量ではどのグループも差がなかった!
この研究では、カフェインの摂取で確かに直後の食事摂取量は抑制されたが、1日スパンで考えたら摂取量は変わらなかったことが報告されている。



この現象は他の研究でも示されています
被験者となったのは普通体型16人と肥満体型17人の男女。
朝食と共に3mg or 6mgのカフェインを摂取してもらった。
結果は下記の通り。
- 標準体型の被験者はコーヒーの有無で食事量が一切変わらなかった
- 肥満体型の被験者はコーヒーの摂取によって食欲が変化した
- 3mg/体重のカフェインを含むコーヒーを飲んだ被験者は、昼食の摂取量が233kcal増加した(P=0.06)
- 6mg/体重のカフェインを含むコーヒーを飲んだ被験者は、1日の摂取量が550kcal減少した(P=0.04)
こちらは先ほどの研究とは逆で、コーヒーの摂取は直後の食欲を増加させたが1日スパンで見たら差はなかったことが報告されている。
とはいえ全部が全部1日スパンで見たら効果が打ち消されるというわけでもない。
6mg/体重のカフェインを摂った被験者は直後の食欲が抑制されて、1日スパンでもその効果は持続したことが報告されている。
ちなみにこのグループはコーヒー6杯相当をがぶ飲みするというもので、ほとんどの被験者にとって飲み干すのが容易ではなかったことが報告されている。



自分個人の感想としては、ただ単に水分をがぶ飲みしたから食欲が抑制された可能性もあるのでは…と思いました<
カフェインの食欲抑制効果は1日スパンで見ると効果が打ち消される可能性があるので、16時間断食で朝の食欲を抑えるために使うのが相性がいいだろう。
まとめ
カフェインについて紹介してきたので、最後にダイエット向けの摂取法をまとめておく。
- カフェインの絶対的なデメリットは睡眠を阻害すること
- 朝以外のコーヒーは睡眠を阻害する可能性がかなり高い
- オススメの摂取法①運動前の摂取
- 運動時に脂肪のエネルギー利用を高めるかも
- 少なくとも運動のパフォーマンスアップ効果は得られる
- ダイエット時に運動がつらい、も軽減される
- オススメの摂取法②16時間断食時の朝コーヒー
- カフェインは直後の食欲を抑制する
- 16時間断食で朝の食欲が耐えられない、という人は朝コーヒーがおすすめ
カフェインは睡眠を阻害しない朝に摂る分には、メリットこそあれデメリットは少ない。
ダイエットでうまく活用してみたいという人は、運動前や朝のコーヒーを試してみるのがいいのではないだろうか。



ちなみに自分は16時間断食中の朝の食欲を和らげるためによくコーヒーを使っていました
おまけ:各製品のカフェイン含有量



参考までに各製品のカフェイン含有量を紹介しておきます(R)
| 分類 | 商品 | mL | カフェイン量(mg) |
|---|---|---|---|
| コーヒー | ドリップコーヒー | 150 | 90–150 |
| インスタントコーヒー | 150 | 40–108 | |
| デカフェコーヒー | 150 | 2–5 | |
| 紅茶 | 1分抽出 | 150 | 9–33 |
| 5分抽出 | 150 | 20–50 | |
| アイスティー | 350 | 22–36 | |
| チョコレート | ホットココア | 175 | 2–8 |
| チョコレートミルク | 235 | 2–7 | |
| ミルコチョコレート | 30 | 1–15 | |
| コーラ | コカコーラ | 350 | 35 |
| ダイエットコーラ | 350 | 47 | |
| ペプシ | 350 | 38 | |
| ダイエットペプシ | 350 | 36 | |
| その他飲料 | ドクターペッパー | 350 | 40 |
| マウンテンデュー | 350 | 55 | |
| エナジードリンク | モンスター | 235 | 80 |
| レッドブル | 235 | 80 |



ちなみにコーヒーについては個体差が大きく、例えば2003年の研究ではコーヒーを6日間にわたって同じ場所で買ったにも関わらず259-564mgとめちゃくちゃ差があったことが報告されています(R)










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